事例検討会 事例集
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Last Update 05/02/21

■No.06 「次に何していいのかわからなくなるんだ」

小4男子・特殊学級在籍。ADHD混合型と診断されている。

■計画立案

長期目標
  1. 基本的な生活習慣(自己管理の力)を身につける。
  2. 人の話(指示)を聞いて望ましい行動ができる。
短期目標&指導方法
  1. 下着をズボンの中に入れる。
  2. 食後に顔を拭く。
  3. 食事中は、箸またはスプーンを使う。
    • 食事指導ではなく自己管理の指導。
    • なぜ、下着をズボンの中に入れないとだめなのかを説明する。
    • 自分で気づくのを待つ。気づいたらどうしたらよいか考えるように促す。
    • 気づかせる方法として、ビデオと鏡を利用し、自分の行動を観察(モニタリング)させる。
      ビデオ・・・良いときと悪いときの両方を撮る。比較させ、どう思うか聞く。
      鏡・・・だらしない姿や汚れた顔を映してみせる。どう思うか聞く。 。
    • うまくできた時にほめる。
    • うまくいかない時には自己評価のみとする。
    • カレンダーを利用してできたときに自己評価する。
      1ポイント−鏡の中を見て気づいた時。
      2ポイント−母親が鏡を用意したところで気づいた時。
      3ポイント−何もしないでひとりで気づいた時。
      10ポイントたまったらガチャガチャ1回プレゼント!
    • ごほうびは本人と母親との話し合いで決める。
  4. 学校でのスケジュールを見て自分で行動できるようにする。
    • 朝、特殊学級と交流学級の時間割を見比べて、どうしたいのか、どうするのかを考えて選択する。
    • 教科名を記入してあるマグネットシートをホワイトボードに貼り、一日の予定表を作成する。
    • 交流を嫌がる時
      1.どうして嫌なのか
      2.行かない場合はその勉強をいつどこでやるのかを考える。かわりに何をするかを考える。
      3.本人が担任に説明する。担任が納得できるような理由と、かわりに何をするのかを説明する。
    • 心理的安定のために、単身赴任の父親が帰ってきた時に好きなテーマでじっくりと話すこと。

■評価 「今、何をしたらいいのか考えて行動できるよ!」

長期目標
  1. 基本的な生活習慣(自己管理の力)を身につける。
  2. 人の話(指示)を聞いて望ましい行動ができる。
短期目標&指導方法
  1. 下着をズボンの中に入れる(継続)。
  2. 食後に顔を拭く(クリアできたので終了)。
  3. 食事中は、箸またはスプーンを使う。
  4. 口の中に異物を入れない(新規目標)。
    • 図鑑でカビを見たり、寒天培養などをして観察したりして自分のなめた物がどれだけ有害であるかを教える。
    • 口の中に異物を入れることが「なぜ悪いのか」「入れたくなったらどうしたら良いか」を本人と話し合う。
    • 鼻をかんでゴミ箱へ捨てられたら、ポイント制で点数を貯めてごほうびをあげる。
  5. 学校でのスケジュールを見て自分で行動できるようにする(3学期スタートの様子見)。
  6. 友達と仲良く遊ぶ。
  7. 友達のためになる行動を考え、実行する。
    • 授業の中で関わりを必要とする場の設定。
    • 関わりの良さを認めていく。
    • 関わり方がわからない場合は、モデルを提示して練習させる。

事例検討会を終えて 〜両親の感想〜

事例検討会で具体的なアドバイスをいただけたことは、本当にありがたく思いました。日常生活の中では特殊学級に在籍していることもあり、担任の先生とは毎日の様に困ったことについて相談しながらやってきたのですが、慢性化して解決策を見出せない時もありました。そんな時、検討していただくことになりもう一度息子の事を見直すことができる良いチャンスとなりました。長所・短所を再確認して問題点改善の為に目標をたて、それに向かって担任の先生と家庭がより一層協力し合うことができ、達成された時の喜びも二倍になりました。
夫婦間でも、息子に対してのお互いの思いを寄りよく理解し、同じ目線で息子のことを見られるようになり、話し合えるようになったことを心より感謝しています。これからも、息子の成長と共に色々な問題が発生してくると思いますが、その都度担任の先生と協力して改善して行きたいと思います。ありがとうございました。