事例検討会 事例集
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Last Update 03/11/09

■No.02 「教室を飛び出しちゃうんだ」

小6男子・通常学級在籍。非定型自閉症と診断されている。

■計画立案

長期目標
  1. 自分の気持ちを相手に伝えることができる。
  2. 自己管理能力(身の回りの整理)を高める。
短期目標&指導方法
  1. パニックを起こしそうになった時、合図(サイン)を出す。
    • パニックを起こさない環境作りをする(予測のつかない事態を作らない)。
    • スケジュール変更時には担任が机の間を巡視して、机をトントンと叩き本人に確認させる。
    • 本人がパニックを起こしそうになった時にはその場を離れてもよい事をクラス全体に理解してもらう。
    • 本人がリラックスできる場所を決める(例:保健室・図書室など)。
    • 本人が離席する時は、声を出し先生に合図する。
    • クールダウンした時に教師が迎えに行き、なぜパニックを起こしたか話を聞く。
    • 話したことを教師が紙に書いて本人に見せる。
    • 教師と一緒に教室に戻る。
  2. 連絡帳袋を自分から出して、プリントを母親に渡す。
    • 電話台の横に箱を置き、帰宅後すぐに入れるようにする。
    • 連絡帳袋にチェックリストを作り、親の「見ました」サインを担任に確認してもらう。
  3. お手伝いを最後までやる。
    • 「母親と一緒の項目」「自分でやる項目」とを本人と相談して決める(最後の項目は、本人が達成感を得られるように一人でやる項目とする)。
    • 終わったら自分でチェックし、一週間後にお金か品物をもらえるようにする。

親の本音トーク 〜事例検討会を終えて〜

具体的な指導方法を提示して頂いた事でこれからの対処方法に希望が持てました。 また、学校生活の内容を担任の先生に報告して頂き、子供の行動が父親として初めてわかりました。今回の提言を受け、日々の生活で実行していきたいと思います。


■評価 「ひとりで教室に戻ってくるよ」

長期目標
  1. 自分の気持ちを相手に伝えることができる。
  2. 自己管理能力(身の回りの整理)を高める。
短期目標&指導方法
  1. 興奮した時の言葉の使い方を教える。
    • 興奮時の姿のビデオを見せ、本人に気づかせて言葉の使い方を教える。
    • パソコンやTVゲームをする時の決まりを作る。
      「平日30分、休日1時間とする」「ゲームの種類は合計五つとする」「約束カードでゲーム中にしてはいけない事、いけない言葉を教える」決まりを破ったらそこで中止し、自室で気持ちを落ち着かせ、その日はゲーム禁止。
  2. 困った時に「教えてください」「助けてください」を使えるようにする。
    • 困った時は先生や周りの子に「教えて下さい」「助けて下さい」と聞くことを教える。
    • 図工:イメージが沸くように具体的に指導してもらう。
      作文:書き方の方法を具体的に示す。1行からだんだん増やして行く。
    • 家庭で手助けせず、ヘルプの言葉が出るまで見守り、学校で出来るようにする(わざと困らせる。ヘルプの出し方を教える。言葉がはっきり伝わるように指導する)。
  3. 女子との良好なかかわり方を教える。
    • 父親からの直接指導
    • 女子を注視していいのは「1、2」と数える間だけと教える。
    • 「おまわりさんに捕まるよ!」の認知で厳しく指導する。
    • 学校でも家庭と同じように指導する。
    • 体育担当の男性教師から様子を見てもらい、上記の指導をしてもらう。
    • じっと見ていたり、覗くような事はその場で「やめなさい」と厳しく指導する。
  4. 連絡帳袋を自分から出して、プリントを母親に渡す。
    • ゲーム終了後に声かけなしで連絡帳を出せるようにする。本人が気づくまで見守る。

事例検討会 会場でのひとコマ

思春期を目前にして父親の存在は大きいものです。性のこと、体のことは男同士で話し合った方がいいですね。一緒に風呂にでも入りながら会話を楽しむこともいいでしょう。がんばって下さい。--(先生)
風呂にはたまに一緒に入っています。彼と向かい合って話して行こうと思います。がんばります。--(父親)