事例検討会 事例集
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Last Update 04/05/21

■No.04 「僕ってダメダメ人間なのかなぁ?」

中2男子・通常学級在籍。LDと診断されている。

■計画立案

長期目標
  1. 基本的な人間関係を理解する。
  2. 自己管理能力を身に着ける。
短期目標&指導方法
  1. クラスの関係の深そうな人の名前を覚える。
    • 3〜5人の名前と顔を写真でマッチングさせながら覚える。写真の人とのエピソードを加える。
  2. 自分の気持ちを表現できる。
    • 困っているときに「困った」と言えるようにする。具体的に「○○と言うんだよ」と言えるようにする。
    • 人から見て困った行動をした時に具体的に「こうしたらいいんだよ」と提案する。
    • 人から助けてもらったら「ありがとう」と言えるようになるよう、機会をみて提案する。
  3. 持ち帰ったプリントを片付ける。
    • 決められた箱の中に全部入れ、札を付ける。
    • 親のチェックが終わったら別の札を付ける。
  4. 忘れ物をなくす。
    • 終学活が終わったら連絡ノートを先生のところへ持って行き、時間割、持ち物のチェックをし、先生が言って本人が書く。
    • 本人がそろえた後、親がノートを読んで二人でチェックする。
  5. 交流先の子供たちと会話をする。
    • 交流先の子供たちにあらかじめ質問をしてもらうように頼んでおき、その質問に答えられなければ2のように指導する。
  6. 自己有能感を高める。
    • 生活の中で認めてあげたいときは、ほめる。
    • ほめる方法をたくさん持つ。声の大きさ、調子、表情、動作、最後に言葉。
    • 単身赴任の父親がほめる。

親の本音トーク 〜事例検討会を終えて〜

父:彼の自立のためにたくさん手伝い(仕事)をさせていました。それが当たり前だと思っていたので、「ほめる」ことを忘れていました。学校では些細なことでもたくさんほめていただいているということをお聞きし、ほめることの大切さを再認識しました。
母:先生が彼に対してこんなにも心を砕いていて下さったなんて...ますます先生を頼もしく思いました。事例検討会後、主人が初めて彼を誘って買い物に出かけました。父親と息子、男は男同士...母はそろそろ子離れの準備かな。


■評価 「僕だってやればできるんだ!」

長期目標
  1. 基本的な人間関係を理解する。
  2. 自己管理能力を身につける。
  3. 自己有能感を高める。
短期目標&指導方法
  1. 自分の気持ちを表現できる。
    • 困ったときに「困った」と言える。具体的に「○○と言うんだよ」と提案する。
    • 「ありがとう」と感謝の言葉が言える。機会を見つけて提案する。機会を整理してみる(朝、学校に送ってもらった時など)。
  2. その場に合った行動を学ぶ(人とのコミュニケーションをとることで感性が育つ)。
    • とっぴな話が出た時を、本人の気持ちを表現する機会ととらえる。
    • 場所をわきまえて生活する必要があることを教える。気が付いた時に「言葉を付け加える」「別の言い方を伝える」。
  3. 用事が終わるまでやることを忘れない。
    • 仕事を始めたら完了するまでやる。作業を表にして確認する。
  4. 自己有能感を高める(自分の長所を見つけて自発的な行動を増やす)。
    • クラスの「一人一役」の仕事について、本人にわかる様に全員に対して評価する(共同体の中で感謝される経験を重ねる)。
    • 生活の中でほめる機会をたくさん持つ。声の大きさ、調子、表情、動作、そして最後に言葉。
    • 単身赴任の父親と電話で交流を深める。

事例検討会 会場でのひとコマ 〜人前でおならをしてしまう彼に対して〜

賛助会員、小学校特殊学級の先生:そういうことをしても悪意は全くないということを周りの子に理解してもらうというのではどうでしょうか?
担任の先生:私は彼をクラスメートのひとりとして考えています。周りの子に理解してもらうというのは、彼を特別扱いしているというか...できればそういうことはしたくないのですが...
いなほ会員:特殊学級の先生の立場、担任の先生の立場、それぞれが彼のことを考え、一つの会場で意見を出し合える事例検討会ってすごいですね!