事例検討会 事例集
トップ || お知らせ || いなほの会について || 事例検討会 || リンク集
Last Update 06/05/01

■No.08 「『それいやだ』が言えないんだ」

小5男子・通常学級在籍。ADHDと診断されている。

■計画立案

長期目標
  1. 安定して学校生活を過ごす。
  2. 自己管理能力を高める。
短期目標&指導方法
  1. 掃除の時間、黒板消しの仕事をする。
    • 黒板消しで黒板を消し、クリーナーにかける。
    • 1回毎に1ポイント。20ポイントでごほうび。ごほうびは家庭で家族といっしょに楽しめるもの。
  2. 嫌なことがあった時、「それいやだ」と言葉で言う。
    • 最初は教育補助員が正しい言い方のモデルを示す。
    • 上記目標と併せてポイント制にする。
  3. 朝の身支度を一人でできるようにする。
    • 朝起きてから学校へ行くまでにやるべき事のチェック表を本人との話し合いで作成する。
    • やるべき事をカードにして本人の部屋の入り口のホワイトボードに貼る。
    • 身支度についてはポイント制にする。
  4. 兄弟げんかを少なくする(当面目標、週一回以内)。
    • ゲームを行う時はあらかじめ遊びのルールを話し合って決める。
    • ゲームのルール表を兄と本人の部屋に大きな紙に書いて貼っておく。
    • 兄弟げんかの数を数える。カレンダー式の紙に記入する。
    • 時々表を見てけんかの数が減った(増えた)ことを振り返る。

学校での配慮事項

教育補助員がぴったりつく。担任や教育補助員はできるだけ休み時間に一緒に遊ぶ。
他学年にも本児のことを説明し、接し方等を指導する(保護者の了解を得る)。

支援体制作り

担任と教育補助員のチームティーチングによって、まず大人との良好な関係作りをし、本児の「居場所作り」を支援する。教育補助員は本児に個別の関わりをしながらモデルを示す。
保護者と連絡を取り合って主治医の指導のもと一貫した方針で指導に当たる。いなほの事例検討会に参加し、支援を受けながら保護者と連携していく。
朝の様子について家庭からの情報はFAXで担任に伝える。学校での情報は主に電話で家庭に伝える。


■評価 「『それいやだ』がなかなか言えないんだ」

長期目標
  1. 安定して学校生活を過ごす。
  2. 自己管理能力を高める。
短期目標&指導方法
  1. 嫌なことがあった時、「それいやだ」と言葉で言う。
  2. 朝の身支度を一人でできるようにする。
    • 朝起きてから学校へ行くまでにやるべき事のチェック表を本人との話し合いで作成する。
    • 母親が直接起こすのは2〜3回までとあらかじめ伝える。
  3. 兄弟げんかを少なくする(当面目標、週一回以内)。
    • ゲームを行う時はあらかじめ遊びのルールを話し合って決める。
    • 兄弟げんかの数を数える。カレンダー様式の紙に記入する。

事例検討会を通して 〜父親の感想〜

事例検討会で取り上げていただき有難うございました。具体的に問題点を指摘され、対処方法を説明していただき、とてもわかりやすかったです。また、学校の先生方や多くの方に出席していただき、一緒に検討してもらい、大変心強く思いました。これからも宜しくお願い致します。

事例検討会を通して 〜母親の感想〜

闇の中から一つの光を発見しました。その光とは「いなほの会」です。三人寄れば文殊の知恵とは当にそのとおりです。私共夫婦でいくら悩み、考えても、これと言った解決策は見つりません。しかし、事例検討会という土俵の上で、教育関係者・医師・いなほの会の方々と、子供の為にいろいろと考えていただき、私共にとって大きな礎となりました。これを元に親も勉強し、考え方を変えねばと反省しております。本当に有難うございました。今後とも宜しくお願い致します。